中国版ウルトラマンはパクリ?タイ人実業家は誰(会社名)?訴訟内容は?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

10月1日に映画「ドラゴンフォース~さようならウルトラマン~(原題:鋼鐵飛龍之再見奧特曼)」が中国国内で公開されたことを受け、円谷プロダクションが法的措置を取ることが、ねとらぼ編集部の取材で分かりました。

今回もまた、パクリ疑惑なのでしょうか?

スポンサーリンク

何かあったの?

 7月10日の「ウルトラマンの日」に中国のイベントで発表された「ドラゴンフォース~さようならウルトラマン~」は、中国企業・広州藍弧文化伝播有限公司(ブルーアーク)が制作したフルCG映画。しかし映画に登場するウルトラマンは腹筋がシックスパックに割れていたり、全身にグレーのラインが入っていたりと、円谷プロダクションのキャラクターとは似て非なるデザインです。

 またイベントには中国版ウルトラマンが登場しましたが、人間の肌に直接ボディーペイントが施されているため、乳首があったり、はだしだったり、さらにアゴがしゃくれていたりと、違和感の塊のような姿で、「海賊版」「パロディーだとしてもクオリティーが低すぎる」などとファンから悲鳴があがりました。

 これについて円谷プロダクションは7月上旬時点で「本件映像作品やウルトラマンキャラクターの利用等について、弊社としては一切関知しておらず、許諾・監修等を実施したものではありません」としたうえで、「権利者としてしかるべき対応をとってまいります」と取材に明かしていました。

 さらに7月19日には「ウルトラマンブランドを著しく毀損し、断固として非難すべき」との声明を発表。「本件映像作品のような新規著作物の製作、ウルトラマンシリーズキャラクターの翻案・改変等の権利は当社のみに帰属する」との見解を示し、作品の発表を行った中国企業(ブルーアーク)と当該映像製作に関与している者に対して「法的措置を含む断固とした措置」を行うとしていました。その後、円谷プロがこれら関係者を提訴したことが分かりました。

 しかしこうした円谷プロダクションの抗議もむなしく、中国側は映画を強行公開。しかもその内容はロボットのヒーローであるドラゴンフォースの敵役としてウルトラマンが登場するというもので、ファンからはさらなる落胆の声があがっています。

今回の映画公開を受け、再度円谷プロダクションに現在の見解を伺いました。

――公開された「ドラゴンフォース~さようならウルトラマン~」を見ましたか。

円谷プロ:確認しました。

――円谷プロダクションとして、中国側にはどのような対応を行ってきたのでしょうか。

円谷プロ:制作会社などに対して、複数回にわたり警告書の送付を行いました。また既に製作発表イベントなどにおける著作権侵害行為に対し、提訴しております。

――円谷プロダクションの抗議に対して、中国側はなんと説明しているのでしょうか。

円谷プロ:「自分たちは正当な権利に基づき製作した」、との主張をしています。

――中国側の強引な映画公開については日本のファンからも批判的な声があがっています。

円谷プロ:日本はもとより、全世界のウルトラマンシリーズのファンの皆さまに大変ご心配、ご迷惑をおかけしていることについて、心よりおわび申し上げます。

――今後中国側に対して何らかの対応をしていく予定はありますか。

円谷プロ:既にイベントなどに対する提訴は行っておりますが、今回の映画公開を受け、上映に対する著作権侵害に対しても法的措置をとります。

 海外でのウルトラマンの権利関係については、タイ人実業家が円谷英二氏の息子である故・円谷皐(のぼる)氏から「ウルトラQからウルトラマンタロウまでのシリーズの海外利用権を譲渡するという契約書を1976年にもらった」と主張。1997年から円谷プロダクションと長きに渡ってさまざまな国で訴訟が繰り広げられており、各国において判決が分かれています。

 今回も中国側はタイ人実業家の権利を根拠に反論を行っているとみられており、今後も円谷プロダクションとの対立は深まりそうです。

引用元 ねとらぼ

今回、中国企業が制作した「ドラゴンフォース~さようならウルトラマン~」は、「時空警察ヴェッカー」シリーズなどを手掛け、中国でも活躍する日本のクリエイター・畑澤和也さんが総監督原案を担当した3DCG映画で、2013年には日本でも作品が公開された「ドラゴンフォース」の第2作目。

フルCGで表現されたウルトラマンがゲスト出演し、ドラゴンフォースの敵役とされてしまうようです。

これはこれでショックですよね。

しかも、作中のウルトラマンの姿は、腹筋がシックスパックに割れていたり、全身にグレーのラインが入っていたりと、オリジナルデザインとは異なってしまっています。

しかし、この作品には、畑澤さんや1作目の「ドラゴンフォース」の日本人スタッフは、一切関与していません。

つまり、円谷プロダクションの知らないところで制作され、放映となってしまったのです。

そこで、法的措置となりました。

ですが、これは簡単な問題ではなく、1976年まで遡ります。

このことについては後述します。

イベントについて、ファンのあいだで、話題になっています。

というのは、このイベントに登場した中国版ウルトラマンのクオリティの低さ。

人間の肌に直接ボディーペイントが施されているため、乳首があったり、はだしだったり、さらにアゴがしゃくれているといったもの。

なぜこのようなウルトラマンを登場させたのか。

今回の映画は、フルCGです。

そのため、イベントだけのためにコスチュームを作るのがもったいなかったのいうのが、真相のようです。

本編で力入れているわりに、宣伝費を削減なんて、ちょっと信じられないですね。

これが中国流なのでしょうか。

しかし、ファンにとっては、目を覆いたくなるウルトラマンでしょう。

スポンサーリンク

タイ人実業家は誰?訴訟内容は?

権利について、問題になっているタイ人実業家とは、ソムポート・セーンドゥアンチャーイ氏です。

そして、ソムポート氏が率いている会社は、チャイヨー・プロダクション。

ちなみに、チャイヨーとは、タイ語で「バンザイ」の意味です。

話は、1976年まで遡ります

1960年代、タイ人実業家・ソムポート氏は、円谷プロダクション創業者・円谷英二氏から特撮技術を学びました。

そして、チャイヨー・プロダクションは、円谷プロダクションとは1974年にはウルトラマンシリーズのキャラクターを用いた映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』の合作をするなど良好な関係にありました。

しかし、この映画が、2社の関係を悪化させる原因となります。

2社のそれぞれの主張は、こうです。

チャイヨー・プロダクション側の主張。

「この映画の配給権が1975年に香港に12万米ドルで売れたが、資金繰りに窮していた円谷プロ側はこの12万米ドルを1年間借りたいとし、さらにその後チャイヨーに無断で円谷が台湾に配給権を8万米ドルで売却したことが発覚した。1976年3月に来日したソンポートは円谷に20万ドルの返却を要求したが、金のない円谷は20万ドルの返済の代わりに譲渡契約を提案。1976年に円谷プロの当時の社長円谷皐との間で、『ウルトラQ』から『ウルトラマンタロウ』及び『ジャンボーグA』の7作品において、日本以外における独占権をチャイヨーへ譲渡する契約を結んだ。」

一方、円谷プロダクション側の対応。

「生前の皐社長からは権利の譲渡などの話は一切無かったにもかかわらず、当時社長の円谷一夫はチャイヨー側の言い分を鵜呑みにして契約書を認める書簡をソンポートに出し、権利の買い戻しを申し出たが、彼は拒否したうえに不合理なことも主張するようになった。そのチャイヨー側の対応に不信を確認した円谷プロ経営陣は契約書を仔細に検証すると同時に、当時の会社経理簿の記載や取引銀行の入出金記録などを綿密に調査を行った結果、円谷プロ・同エンタープライズ両社の財務記録とはまったく符合しないうえ、当時在籍していた重役達と経理担当責任者もそのような金銭の流れを確認していなかった。以上のことから当時の経営状態の検証も踏まえて「契約書は偽造」と確信」

このお互いの主張で、日本とタイ、それぞれで裁判となります。

結果は、2004年、日本の最高裁では、円谷プロダクション敗訴。

2008年、タイでは、円谷プロダクション勝訴。

ややこしい結果となってしまいました。

その後、チャイヨー・プロダクションは、1998年、バンダイにウルトラマンの著作権の一部「配給権」「広告権」「複製権」を1億円で売却。

残りを、2008年、日本企業のユーエム株式会社に譲渡しました。

ユーエムは、サイトのトップで、このように会社概要を説明しています。

ユーエム株式会社は、エンターティメントの企画、テーマパークのイベント企画、テクニカルデザイン、キャラクター制作、プロップスの制作を手掛ける他
ウルトラマンの海外利用権を持ち、ライブショー企画デザイン等の制作をする会社として設立いたしました。

ウルトラマンの利用範囲は、ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウ、他ジャンボーグエースのキャラクターで、その話の中に出演する怪獣他、プロップス等の範囲に及びます。

引用元 ユーエム株式会社ウェブサイト

そして、中国側企業が、著作権契約を結んだ会社がユーエム。

なので、中国側企業としては、正規のルートで権利を保有していると主張しています。

また、ソムポート氏の契約について、円谷プロダクションは、中国の最高裁でも、2013年、敗訴しています。

円谷プロダクションとしては、厳しい状況と言えそうです。

ですが、この問題について、円谷プロダクションは、7月19日、このように発表しています。

去る2017年7月10日、中国北京において、中国企業である広州藍弧文化伝播有限公司により、ウルトラマンシリーズキャラクターを利用した映像作品「鋼鐵飛龍之再見奧特曼」の製作発表が実施されました。

本件発表について、当社は一切関知しておらず、本件映像作品は当社の許諾・監修等なく製作されているものです。また、当該発表会及び映像におけるウルトラマンキャラクターの利用方法、態様等は、ウルトラマンブランドを著しく毀損し、断固として非難すべきものであり、到底認められるものではありません。

一部報道等のとおり、ウルトラマンシリーズの初期映像作品(「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」「ウルトラマンエース」「ウルトラマンタロウ」)に関する日本国外における利用権の取り扱いに関しては、長期間に亘り、複数の国において係争が続いております。もっとも、これまでに出されたいずれの判決においても、一貫して、当社がすべてのウルトラマンシリーズの製作者であり、その著作権を保有している点が認められております。

また、本件映像作品のような新規著作物の製作、ウルトラマンシリーズキャラクターの翻案・改変等の権利は当社のみに帰属するものです。

上記を受け、当社といたしましては、あらためて本件発表を行った中国企業、および本件映像製作に関与している者に対し法的措置を含む断固とした措置をとってまいる所存です。

お取引先様、ご関係者様、ウルトラマンシリーズのファンの皆様におかれましては、大変ご心配、ご迷惑をおかけしていること、心よりお詫び申し上げますとともに、今後とも変わらぬご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

以上

引用元 円谷プロダクション

言っていることはわかりますが、厳しい気がします。

新規著作物をどうみられるかも、ポイントですね。

おわりに

ウルトラマンについては、複雑すぎる事情があります。

今回ばかりは、パクリとはならならず、合法となってしまうかもしれません。

スポンサーリンク

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*